代表よりご挨拶

『共同事務所』を立ち上げた想い

ソーシャルワーカーとして福祉分野以外でも貢献していきたい

「ソーシャルワーカーの存在を社会全体に広めたい」

そう考えたのは、福祉分野以外の人々から、「ソーシャルワーカーは何をする人?」と問いかけられることが多かったからです。

また、時代の変化の中で多文化社会における‘暮らし方’や‘働き方’が自由で広範囲となり、サービスを必要としている人たちが特定分野に限定されず、日常的に生活している人たちにも広がっていると感じたからです。

今の時代は、乳幼児、学童・学生、社会人、障害者、高齢者、病弱、孤立・孤独など、さまざまな世代や対象者に対して、ソーシャルワーカーの専門性と福祉(幸福)の支援が必要であると感じています。

しかしながら、まだまだ欧米とは異なり、ソーシャルワーカーの認知度が低いのが現状です。福祉に関わる社会福祉士、精神保健福祉士などの専門職に、身近な生活の場面で出会う機会が無いことが一因にあります。

世の中では、テレビのコマーシャルで宣伝されている「有料老人ホーム」、街中でワンボックスカーが朝と夕方に何台も行きかっている「デイホーム」などが『福祉』として認知されている程度かもしれません。

一方で、医師、看護師、弁護士、税理士などの専門職は、その名称を聞けば、瞬時にどんな仕事をしているのか理解されているのではないでしょうか。

私たち「ソーシャルワーカー」も瞬時に理解される立場になりたいと感じています。

だからこそ、

『社会の中で、普通に暮らす人々の中で、『身近な存在』にならなければ!』

そう強く感じています。

やりたいことを実現させたい

共同事務所を設立するまでは、私は個人で活動をしていました。ケース案件や講師など、依頼された仕事をこなしていくだけであれば、個人で十分に活動していけます。

しかし、企業、行政、海外などを対象とした場合、実績が無いと、なかなか個人では相手にされないということを実体験してます。

一例にはなりますが、2011年3月11日に故郷を襲った東日本大震災の時のことです。

その時は、故郷・仙台を離れて東京都内にある地域包括支援センターで所長をしていました。被災直後にテレビから流れる故郷の惨状を見て、全身が震撼して『何とかしたい』、『何とかしなければ』と痛切に抱いた感情は今でも忘れられません。

しかしながら、交通手段も限られており、長期に仕事を休める状況ではなかったため、津波の被害で使用が困難となっている福祉用品や用具を東京から送ろうと考えました。

そこで、関係施設や団体に事情を説明して寄付をお願いしましたが、「個人でやることではない」、「個人では信用できない」、「社協に任せるべき」などと諭されました。

また、数年前にコペンハーゲンを訪れた際には、街並みや高齢者施設などを見て、日本では得ることのできない刺激を受けました。そこで、日本との交流事業を立ち上げたいと思い、大使館、外資系企業、各種団体等々に問い合わせましたが、全て個人とはやり取りはしないと一蹴されてしまった苦い経験もしました。

グローバルに活動していきたいと考えても、個人での活動の限界を知った機会でした。

ゆうてんじ社会福祉士共同事務所の設立

そこで、個人では、ノウハウや時間に限界があったり、資金的な制限、信用度等もあるため、旧知のソーシャルワーカーの仲間5人に声をかけて、共同事務所の活動に賛同を得ることができました。

その結果、企業内ソーシャルワーカーやZOOMを使用した地域での多職種交流事業等が実施できています。

現在は、コロナ渦で、当初計画していたさまざまな事業が中断していますが、いつの日かコロナの収束を見据えて、「生涯の良き仲間達」と共に「やりたいこと」を必ず実現させていきます。

6人のソーシャルワーカーの英知を結集して、6人+アルファの『力』を出していきます。

  代表理事

  佐々木 昭夫